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    「うん。青島陥落の、ほら、旅団長閣下だよ」

    房一はさつきから自然と聞いてはいたが、事は初耳だつた。

    「三人どころぢやない、五人も十人もある」

    と、相沢は口ごもつた。

    房一は急いで膿盆をひきよせた。

    房一がそこへ出るのと、さつきの二人が表から入つて来るのと同時だつた。

    「まだなかなかでせう。永いこつてすよ」

    小谷が対岸から流れを指しながら叫んでいた。房一の竿の前を渡渉とせふするので承諾を求めたのだ。

    「さうだ、鍵屋の法事へ行くんでね。さつきは、君にさう云ふのを忘れていたが――まあ、上りたまへ」

    房一は苦笑した。

    「時に、お宅は鍵屋の分家の後ださうですな。あすこは大分前から空家になつていたと聞いていましたが」

    「ねえ。はやく」

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